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アクエリアンエイジ対戦会 “オオガキバトル” 公式ブログ

美少女TCG『アクエリアンエイジ』(c)broccoli のユーザー主催対戦会の開催告知および大会レポートを掲載するブログです。 2024年3月よりイベント専用ブログへ方針を変更いたしました。

No.DoB014 イーサリアル・ヴォイス


■カードナンバー
 No.DoB014

■カード名
 イーサリアル・ヴォイス

■カード能力
 種類:パーマネントカード
 勢力:緑/ファクター:3/コスト:1
 精神:ー1/攻撃:+1/耐久:+1
 スキル:パーマネント+1・サーチ(“胡桃 えいむ”)
 アビリティ:
 このカードがカード名称に「エルフ」を含むキャラクターにセットされている場合、≪このキャラクター≫はアビリティ「≪このキャラクターのアタック宣言に対してガード宣言している支配キャラクターのオーナー≫のデッキからカードをX枚捨て札する。Xはこのキャラクターを構成するブレイクカードの枚数に等しい。」を持つ。
 ≪このカード・“胡桃 えいむ”のネームを持つカード≫は、ファストカードのタイミングでセット宣言可能。
 このカードは、ターン終了時に捨て札される。“胡桃 えいむ”にセットされている場合、ターン終了時にオーナーの手札に戻る。

■フレーバーテキスト
 えいむの声が ママのとこまで届きますようにっ♡

■バックストーリー
“胡桃 えいむ”は、静かな部屋の中で鏡を見つめていた。
 
金髪がさらりと肩にかかり、碧眼がまるで深い湖のように揺れている。
尖った耳が髪の隙間から覗き、彼女が人間ではないことを物語っていた。
見た目は高校生ほどの少女。しかし、彼女の時間は人間のそれとは異なる。
 
数日前、えいむの母は床に伏した。父も何年も前に他界し、えいむはたった一人でこの家に残された。
えいむの母は病床でえいむの手を握り、弱々しい声で告げた。
 
「えいむ…あなたは…私たちの本当の子じゃない…の。あなたは…取り違えられた子…。でも、お父さんも…お母さんも…あなたを…心から愛してた…わ…。」
 
 
チェンジリング。妖精にすり替えられた子。
 
 
えいむの育ての母は、皺を幾重にも重ねた顔で最期の力をふり絞り、微笑みながら逝ってしまった。
 
えいむが物心ついて数十年、えいむの見た目は人でいう10代半ばの容姿から変わらない。時間が彼女だけを置き去りにしたようだった。
母の息が止まった後、えいむは静かに手を握り返し、涙をこぼしながら呟いた。
 
「ママ…ありがとう…。えいむ、知ってたよ…。えいむがママの本当の子どもじゃないってこと…。えいむは人間じゃなくてエルフだったこと…。今まで、一緒の時間を過ごしてくれて、ありがとう…。」
 
育ての親が自分を心から愛してくれていたこと、長い年月を共に過ごしてくれたことが、初めて実感として心に染みた。
程なくして、深い孤独がえいむを包んだ。
 
 
数週間が経ち一人にも慣れ始めた頃、えいむは地方都市のイベントニュースを映した街頭のサイネージを目にする。
それは、かつてえいむも参加したことがある大規模コスプレイベント。養母と一緒に作ったとあるアイドルアニメの衣装を身にまとい、金髪と碧眼、尖った耳を「コスプレ」と誤魔化す。普段は隠していた自分をさらけ出す感覚に胸が踊ったのを思い出した。
えいむは衝動に駆られ、当時の衣装を手早く用意し、何かに導かれるかのように駅へ向かった。
 
 
会場は人で溢れ、笑い声やカメラのシャッター音が響く。世界各国から、この地、この時、この出会いを求めて集う。
 
そんな中、近くにいたえいむと同じアニメ作品のコスプレをした女の子が目を輝かせて近づいてきた。
 
「すっごくリアルですね!本物のエルフ耳みたい!」
 
満面の笑顔でえいむに話しかけ、スマートフォンを片手に写真を求めてくる。
えいむは尖った耳を軽く手で隠しながら、ちょっともどかしい表情で笑った。
 
「…うん、ママと一緒に作ったんだよ。」
 
一緒に写真を取り、画像を共有したその時、頭上に大きな水場のある会場からは、大音量のファンファーレと共にゲリライベントが始まった。
会場のコスプレイヤー達に、そのキャラクターにまつわる作品の曲を歌ってもらうアニソンカラオケコーナーだ。
 
マイクを手に持つ男性が、白煙と共にステージに現れた。銀髪を短く整えた、大学生くらいの男性だ。彼は軽快なトークで場を盛り上げながら会場をを見渡し、鋭く目を光らせていた。
 
「イベントにご来場の皆さん!私は、M.C.キリハラ!今日は特別に、君たちを別次元の世界へ連れて行くよ!」
 
と笑みを浮かべ、視線をえいむに固定した。
 
「そこの貴女!そのコスプレ、とても魅力的だ!ステージに上がってきなよ!」
 
と半ば強引にえいむの手を取り、階段を降りた先の小さな壇上へ連れ出す。
 
慌てて「えっ?!やだ!恥ずかしいよ…!」とえいむは言うが、M.C.キリハラの「君ならできるさ!」という声と観客の拍手に押され、仕方なくマイクを受け取った。
壇上に上がると、キリハラは尋ねた。
 
「君の名は?」
 
えいむは顔を赤らめ、照れくさそうに答えた。
「え、えいむ…です。」
キリハラは目を細めて微笑み、マイクを手に叫んだ。
 
「オッケー!それじゃ、“胡桃 えいむ” さん!一曲いってみようか!」
 
キリハラが指を鳴らす。その瞬間、小さな壇上が一瞬にして広大なライブ会場に変わり、色とりどりの照明が瞬く観客席が広がった。
 
えいむは戸惑い、目を丸くした。
 
「なっ…何!?」
 
観客の声援が響き渡る。
 
「「「え・い・む! え・い・む!」」」
 
えいむは、華やかな舞台で歌い踊るアイドルに憧れがあった。しかし、人と違う金髪碧眼や尖った耳を持つことから、その気持ちをいつも内に秘めていた。自分の育った背景も影響し、表立った活動が起こせず、コスプレという形で自分を慰めてきた。
 
今、観客は自分に期待している。えいむもそれに応えたいという思いが溢れ、えいむは決意した。
 
「えいむ…歌うよ…!ママと一緒に作ったこの衣装があるから、大丈夫!」
 
自身が扮するキャラクターのテーマソングのイントロが流れ始める。
えいむは、空を見上げて呟いた。
 
「えいむの声が、ママのところまで届きますようにっ」
 
緊張で震えていた声が、次第に力強さを増す。観客は息を呑み、歌とダンスに没頭するえいむに引き込まれる。
エルフの持つ能力なのだろうか。ハイトーンの澄んだ歌声、イーサリアル・ヴォイスは、会場の人々全てを魅了していった。それはまるで遠い宇宙や、別次元の世界にまで響き渡るようだった。
 
「すごい!」「天使だ!」
 
歓声が上がる。
嬉しさと興奮で、全力で歌い上げたえいむは、少し目眩にも似た疲れを感じた。
 
「…どうやら彼女の力は本物のようだ。」
ステージの傍らでキリハラは呟く。
 
「「「え・い・む! え・い・む!」」」
 
観客のコールは続く。
 
声援に導かれるように、えいむは観客席に続く花道へ歩もうとした。その瞬間、鋭い閃光がステージを貫いた。
 
「 !! 」
 
それはボウガンの矢だった。矢は、えいむの目前を走り、舞台袖のキリハラの脇腹をかすめた。
 
キリハラは動揺し、よろめく。それと同時に、華やかな舞台が陽炎のようにえいむの目の前から消え去り、元の小さな舞台と、横たわった大勢の観客、そしてコスプレイヤー達の姿があった。
 
キリハラは冷たい視線を向け、静かに呟いた。
 
「皇帝陛下、邪魔者が現れたようです。」
 
キリハラが右手を高く振り下ろしたと思えば、そこに漆黒の空間が現れた。
 
「“胡桃 えいむ”、君の本当の母親は…」
 
そう言いかけたところで、再びボウガンの矢がキリハラ目掛けて放たれた。
察知したキリハラは、一瞬にして闇の中へ消えていった。
 
「…本当のママ?!…一体どういうこと?!…キリハラさん!貴方は何を知っているの?!」
 
えいむは混乱した。えいむはキリハラの真意や彼の消えた先に隠された世界を知る由もなかった。
動揺が隠せない中、あまりの衝撃的な出来事に震えるえいむの元に一人の青年が近づく。
ボウガンを小脇に抱えたその青年は、えいむとよく似た金髪碧眼を持ち、その瞳の奥には何か暖かいものを感じた。
 
青年は、えいむに語りかける。
 
「やあ、また会ったね。」
 
 
(イラスト製作:はとり/ストーリー:Kinta@m)
※イラスト・ストーリーはTCG“アクエリアンエイジ”の二次創作であり原作とは一切関係ありません。

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第8回 伝説のオオガキバトル 開催のお知らせ

 やってきました25年夏の「オオガキバトル」開催を告知いたします。
 お盆休み最終日とはなりますが、ぜひ水の都大垣で遊んでいってください!
 今回は空調を入れます(ないと無理)ので、会場利用料に少々追加のご負担をいただきますが、何卒ご了承願います。
 ちなみに前日は関市にあるインターチェンジ付近で近年始まった謎のお祭りもあるらしいです(笑)
 こちらも負けじと今回のメインビジュアル「胡桃えいむ」ちゃんの誕生日合わせということで、えいむちゃん生誕祭として開催させていただきますよ~(*'▽')ヤッター!! 
 
 
「第8回 伝説のオオガキバトル ~えいむちゃん生誕祭!!~」
日時:2025年8月17日(日)AM 10:00~16:30
会場:大垣市中川地区センター 第1会議室
   (googlemaps)
 
【レギュレーション】
 ・全3大会、時間が許す限り対戦数増やす方向で調整します。
 ・各大会毎に同じレギュレーションで対戦を行います。
 ・各大会の順位と内容によってポイントが加算され、合計ポイントの一番高いプレイヤーが総合優勝となります。
 ・いずれの大会もパートナーシステムは適用せず、デッキ枚数は40~60枚までの任意とします。
 
●第1大会:「ギャラクシースタイル」
 アクエリアンエイジ(惑星シリーズ)「始まりの地球」以降に発売されたカードを使用して遊ぶスタイルです。
 
●第2大会:「A3エクストプラス」
 「A3エクストプラス」は公式スタイルとは異なり、札幌を拠点として活動されている“ぽち。”様をはじめとした札幌クラスタの皆様で開発された構築スタイルとなります。構築ルールの詳細は下記リンクから“ぽち。”様のブログをご確認下さい。
※現在、禁止カードの解放や限定組み合わせルールなどが議論されております。当イベント開催までにそのルールが改訂された場合は、この大会もそのルールに準じます。
 
●第3大会:「アルティメットスタイル」
 アクエリアンエイジ(Saga1)からアクエリアンエイジ(惑星シリーズ)およびエキストラエクスパンションやプラチナパックなど、最初期から最終弾まですべてのカードが使用可能なスタイルです。手持ちの資産をすべて活かして最強のデッキを組んで遊びましょう。公式サイト記載の通り、枚数制限のあるカードはその制限に従います。
 
 ご質問等ございましたら、Twitter(現:X)の伝説のオオガキバトル公式アカウントへお気軽にお問合せ下さい。
 
 追加情報がありましたら随時、公式アカウントと当ブログにてお知らせいたします。よろしくお願いします。

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No.DoB007 斎木インダストリー日本支部長“中島 虎徹”


■カードナンバー
 No.DoB007

■カード名
 斎木インダストリー日本支部長“中島 虎徹”

■カード能力
 種類:ブレイクカード
 勢力:白/ファクター:4/コスト:4
 分類:ワータイガー♂・ウォリアー♂・ワーカー♂
 精神:6/攻撃:5/耐久:5
 スキル:パーマネントー1・シールド・インターセプト・サーチ(“中島 虎徹”)
 アビリティ:
 このカードを[ワーカー♂]をもつ“中島 虎徹”にセット宣言する場合、≪あなた≫はこのカードをファストカードのタイミングで必要ファクターを無視してセット宣言可能。その際、支払ったコストは手札に戻る。
 このカードの下に「サラリーマン“中島 虎徹”」がある場合、≪このキャラクター≫は精神ダメージを受けない。
 ≪[ワーカー]・[ワーカー♂]を持つあなたの支配キャラクター全て≫に、イニシアチブ・シンクロ・ペネトレイトを与える。
 ≪[ワーカー]・[ワーカー♂]を持つあなたの支配キャラクター≫が捨て札される場合、このカードをダメージ置き場に置くことで、そのキャラクター全てを場に残すことができる。

■フレーバーテキスト
 責任は私が負う。君たちは思い切りやりなさい!!

■バックストーリー
東京の夜は、高層ビルのガラスに反射するLEDの光で満月を薄めていた。
 
“中島 虎徹”
 
堂々とした大柄な体躯に、穏やかな笑顔がトレードマークのサラリーマンだ。プロジェクトの成功を祝う打ち上げを終え、ほろ酔いでオフィス街を歩く。スーツのポケットに手を突っ込み、夜風に髪を揺らしながら、空を見上げる。
 
「満月か…」
 
いつもより心臓が速く脈打つ。子どもの頃から、満月の夜には説明できない高揚感が胸をざわつかせる。血が騒ぐ、とでも言うべきか。妻にはストレスじゃない?と笑われたが、虎徹自身、理由を知らない。ただ、毎回その感覚を押し込めてきた。
家では、妻と幼い娘が待っている。プロジェクトの成功で係長から課長への道が現実を帯びてきた今、人生は順風満帆のはずだ。
 
打ち上げでの部下の声が脳裏に蘇る。
「係長、今回も完璧でした! 昇進確定ですよ!」
部下たちが笑顔でグラスを掲げる中、若手の部下が目を輝かせて言った。
「係長のためなら、俺、徹夜でも頑張りますよ!」
 
虎徹は笑って肩を叩いた。
 
「お前もちゃんと寝ろよ」
 
だが、その言葉の裏には、部下を信頼し、どんな時も守るという揺るぎない心意気があった。彼には、人の心を掴む力がある。部下たちは、虎徹の指示一つで動くだけでなく、彼のために自ら進んで汗をかく。そんな信頼の輪が、虎徹のチームを強くしていた。
 
それでも、打ち上げの喧騒の中でふと襲ってくる虚無感。このまま課長、部長と進み、家族を養い…それでいいのか?  
 
 
路地を曲がった瞬間、気配を感じた。振り返ると、そこに立つのはスーツに身を包んだ女がいた。上品で洗練された立ち姿に、ダークブルーのテーラードスーツが完璧にフィットしている。襟元で整えられた髪は、月光の下で金色にきらめく。彼女の目は、穏やかな微笑みとは裏腹に、鋭く虎徹を捉えている。
 
「中島虎徹さんでいらっしゃいますか」
 
その声は低く、しかし滑らかで、どこか引き込むような響きがある。
 
「……どちら様ですか」
  
女はゆっくりと名刺を取り出し、細い指で差し出す。
 
「我が社で、今よりもっと壮大なプロジェクトに参加してみませんか」
 
名刺には、シンプルだが重厚なフォントでこう書かれていた。
 
『ITSUKIホールディングス CEO    斎木 麗名』
   
虎徹の目がわずかに揺れる。ITSUKIホールディングス。世界中で高層ビルや発電所などを建設し、インフラをも支える超一流企業だ。そんな企業が、なぜ自分に?
 
「我々は今、貴方のような力を持っている人を探していたのです」
 
と、麗名は続ける。彼女は一瞬、首を傾げ、虎徹の顔をじっと見つめる。
 
「そう、太古の昔から受け継がれし力を持った人を」
 
彼女の指が、名刺の端を軽く撫でる。まるで、虎徹の内に眠る何かを感じ取るような仕草だ。  
 
 
「力…? 何の話だ。俺はただのサラリーマンだ」
 
虎徹の声には、警戒と苛立ちが混じる。だが、満月の光の下、胸のざわめきが強くなる。まるで、麗名の言葉に呼応するように。
麗名は薄く微笑む。
 
「ただの?… 中島さん、あなたはご自分を過小評価しすぎです。プロジェクトを成功に導き、部下に慕われる…あなたの力は、すでに証明されています。部下たちがあなたのために動く、その信頼の絆は、並大抵のものではありません」
   
彼女の言葉に、虎徹は一瞬言葉を失う。打ち上げでの部下の笑顔、同僚たちの信頼。確かに、彼らのために戦ってきた。そこに麗名は続ける。
 
「それ以上の可能性が、あなたの中にある。感じたことはありませんか? 満月の夜に、血が騒ぐ瞬間を」  
 
虎徹の喉が一瞬詰まる。彼女はどうやって…? 誰も知らない、妻にも話していないあの感覚を、なぜこの女が?
 
「我々のプロジェクト――『Operation Nexus Initiative』――は、世界の未来を繋ぐもの。ですが、そこには太古の脅威と対峙する使命があります」
 
「脅威?」
 
虎徹の眉が寄る。
 
「古来より、人類を脅かす存在…人々はそれを『鬼』と呼んできました」
 
麗名の目が、月光を受けて一瞬、金色に光った気がした。
 
「中島さん、あなたの血は、その鬼を退ける力を持つ。あなたでなければ、できないのです」。  
 
虎徹の心臓がドクンと跳ねる。鬼? 荒唐無稽だ。だが、麗名の視線が、まるで彼の心の奥を見透かすようだ。満月の光が、全身を駆け巡り、抑えていた衝動が疼き始める。  
 
 
「ITUKIグループは、あなたを待っています。家族を…仲間を…大切なものを守るためにも、大きな舞台が必要ではありませんか」
 
彼女の言葉が、虎徹の胸に鋭く突き刺さる。家族。妻と娘の顔が脳裏をよぎる。麗名は名刺を指で軽く叩き、
 
「近いうちにまたお会いしましょう」
 
と残し、彼女のハイヒールが夜のアスファルトに軽い音を残して消えた。  
 
虎徹は名刺を握りしめたまま、立ち尽くす。満月の光が背を照らし、都会のビルの光が冷たく瞬く。本当に、俺にそんな力があるのか…? 頭を振るが、胸のざわめきは収まらない。麗名の言葉が、満月の下で絡みつくように心に残る。  
 
 
翌朝、会社に向かう電車の中、虎徹はいつも通りのルーチンをこなしつつ、どこか上の空だ。スマートフォンに妻から送られたビデオメッセージが届く。開くと、娘の小さな顔が画面に映り、弾けるような声で言う。
 
「パパ、今日は早く帰ってきてね! 一緒にあそぼ!」
 
 その純粋な笑顔に、胸が締め付けられる。  
 
昼休み、ふと内ポケットに忍ばせていた名刺を取り出し、じっと見つめる。『ITSUKIホールディングス CEO 斎木麗名』ネットで調べても、ITSUKIホールディングスの表向きの情報しか出てこない。多数の企業を傘下に治め、インフラ事業、グローバルな活動、完璧な企業イメージだ。
 
だが、麗名の言葉――「あなたの血は、鬼を退ける力」「家族を、仲間を守るため」――頭の中で反響する。  
 
デスクに戻る途中、窓から見えるビルの谷間を眺め、虎徹は思う。このまま、普通の生活でいいのか? 確かに今の仕事は安定している。部下たちの笑顔も信頼も、自分の誇りだ。だが、麗名の視線、満月のざわめきが、抑えていた好奇心を静かに掻き立てていた。 
  
 
その夜、帰宅した虎徹は、娘を寝かしつけながら、妻と何気ない会話を交わす。
 
「昇進したら、もっと家族の時間増えるかな」
 
アイランドキッチンの向こうで微笑む妻に、虎徹は曖昧に頷く。娘の寝顔を見ながら、胸の奥で何かが動く。あの日の言葉が蘇る。
 
リビングのテーブルに置かれた家族写真に、虎徹の視線が止まる。妻と娘と、笑う自分。薄くて重い名刺を無意識に握りしめ、目を閉じる。守るためには、変わらなければならないものがある――そんな予感が、静かに胸を締め付ける。
 
   
翌月のとある夜、ガラスと鋼でできた巨大なビルは満月の光を反射し、冷たく輝いている。虎徹はITSUKIホールディングスの本社ビルを訪れていた。麗名から届いた招待状を手に、ビルの入口を見つめる。
一歩踏み出せば、戻れないかもしれない。妻と娘の笑顔が脳裏をよぎる。これまで昼夜を共にしてきた部下たちの期待と信頼も。だが、胸の奥で脈打つ『血の騒ぎ』が、彼を前に進ませる。
虎徹は深呼吸し、ビルの自動ドアに向かって歩み出した。誰もいないエントランスのドアは音をたてずに開き、彼を飲み込んでいった。  
 
東京のどこか、ITSUKIホールディングスのオフィスビル最上階。モニターに映るのは、ビルに入る男の背中。麗名の声が響く。
 
「彼は、鍵だ。だが…他の者たちも動き始めている」
 
別の路地では、赤い目の影が一瞬、月光に浮かぶ。鬼と呼ばれる存在か、それとも別の勢力か。物語は、まだ始まったばかりだ。
  

(イラスト生成:Kinta@m/ストーリー:Kinta@m)
※イラスト・ストーリーはTCG“アクエリアンエイジ”の二次創作であり原作とは一切関係ありません。

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第7回 伝説のオオガキバトル【出張版】開催のお知らせ

毎度毎度Twitter(現:X)の公式アカウントで一報を出してから随分と間が開いてしまいましたが、こちらで正式な開催告知をいたします。
「第7回 伝説のオオガキバトル」は【出張版】と銘打ちまして、地元大垣市を離れ他県での開催を実施いたします。その初回はなんと

(((大分県別府市!?)))

初っ端にしては離れすぎている感がありますが、大阪からの弾丸フェリーで当日のうちに到着➡帰省というやや無謀な0泊3日なスケジュールを断行してみることにいたしました(笑)。
以下に詳細をお知らせいたします。


「第7回 伝説のオオガキバトル【出張版】」
日時:2025年5月18日(日)AM 9:30~15:30
会場:別府市市民会館 第3会議室
   (googlemaps)

【レギュレーション】
 ・全3大会、確定3回戦とします。
 ・各大会毎に同じレギュレーションで3回対戦を行います。
 ・各大会の順位と内容によってポイントが加算され、合計ポイントの一番高いプレイヤーが総合優勝となります。
 ・いずれの大会もパートナーシステムは適用せず、デッキ枚数は40~60枚までの任意とします。

●第1大会:「漢祭り!」
 「漢祭り!」は基本構築ルールを上記「A3エクストプラス(以下A3EX+)」をベースとし、男性キャラクターに焦点を当てた独自のスタイルとなっております。構築ルールは以下の通りです。
  ①《ネームを持つキャラクターカード》および《ネームを持つブレイクカード》はカードの分類アイコン欄に♂分類アイコンが表記されている物のみ使用可能。♀分類アイコン、性別のない分類アイコンのみのカードは使用不可。♂分類♀分類混在は可。(ネームのないキャラクターカードおよびブレイクカードには分類アイコンの制限はありません)
  ②デッキには《ネームを持つキャラクターカード》または《ネームを持つブレイクカード》を4枚以上含めること。(キャラクターカードとブレイクカードは混在可)
  ③「SAC No.3434 大奥の掟」は使用不可。
  ④“ソフィー・ラスタバン”のネームを持つブレイクカードは使用不可。(♂分類が記載されているが、ネームは女性キャラクターのものと思われるため)
 その他はA3EX+の構築ルールに準じます。A3EX+の構築ルールの詳細は下記リンクから“ぽち。”様のブログをご確認下さい。

●第2大会:「デススタ」
 こちらは「アクエリアンエイジ 冥約の少女」エクスパンション以降のカードに一部制限カードを設けたスタイルです。詳細は下記リンクから“あくえり”様のブログをご確認下さい。
  (あくえりの日記

●第3大会:「A3アルティメット(仮名)」
 こちらは「アクエリアンエイジSaga3 逆襲の巨蟹宮」から「約束の世界」までの正規エクスパンションのみで構成するスタイルといたします。この範囲内であれば制限カードはありませんが、他アニメ作品等とコラボしたいわゆるエキストラエクスパンション(クイーンズブレイドやリリカルなのはVIVID等)のカードは今回は除外とします。Saga2以前やギャラクシースタイルのカードも使用不可です。Saga3シリーズに収録されているカードと同名同性能カードについては他エクスパンションの物でも使用可能です。

 主催の移動時間の都合もあり、1試合は30分を上限としその時点で終了とさせていただきます。その場合の結果は引き分けとし、与えダメージ多い➡受けダメージ少ない、の順で順位を確定いたします。ご了承ください。

 大変小忙しい流れとなりますことが予想されますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いします。時間が余った際には閉場の16:00までは自由に対戦等でお過ごしください。

 ご質問等ございましたら、Twitter(現:X)の伝説のオオガキバトル公式アカウントへお気軽にお問合せ下さい。

 追加情報がありましたら随時、公式アカウントと当ブログにてお知らせいたします。よろしくお願いします。
 

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第6回 伝説のオオガキバトル 開催のお知らせ

 マインドブレイカーのみなさま、ご無沙汰しております。
 4月に開催させていただいた3年ぶりの開催から、はや半年経過してしまいました。
 仕事を理由にするのも情けないですが、またしても大きく間を空けてしまい申し訳ないです。
 Twitter(現:X)でも簡単にお伝えしましたが、改めて「第6回 伝説のオオガキバトル」開催告知をさせていただきます。

【日時・会場】
開催日:2024年12月1日(日) 
 時間:10:00〜16:30
 場所:大垣市中川地区センター
    1階・第1会議室(GoogleMaps)

 前回の「国盗りアンエイジ」のようなイベント大会ではなく、各スタイル毎に対戦を行うオーソドックスな進行となります。全3大会を予定しており、以下のスタイルで実施いたします。いずれもパートナーシステムは採用しません。
【レギュレーション】
 第1大会:エクストリーム(公式スタイル)

 第2大会:A3エクストプラス

 第3大会:漢祭り!

 「A3エクストプラス(以下A3EX+)」は公式スタイルとは異なり、札幌を拠点として活動されている“ぽち。”様をはじめとした札幌クラスタの皆様で開発された構築スタイルとなります。構築ルールの詳細は下記リンクから“ぽち。”様のブログをご確認下さい。
 「漢祭り!」は基本構築ルールを上記「A3EX+」をベースとし、男性キャラクターに焦点を当てた独自のスタイルとなっております。構築ルールは以下の通りです。

  ①《ネームを持つキャラクターカード》および《ネームを持つブレイクカード》はカードの分類アイコン欄に♂分類アイコンが表記されている物のみ使用可能。♀分類アイコン、性別のない分類アイコンのみのカードは使用不可。♂分類♀分類混在は可。(ネームのないキャラクターカードおよびブレイクカードには分類アイコンの制限はありません)

  ②デッキには《ネームを持つキャラクターカード》または《ネームを持つブレイクカード》を4枚以上含めること。

  ③「SAC No.3434 大奥の掟」は使用不可。

  ④“ソフィー・ラスタバン”のネームを持つブレイクカードは使用不可。(♂分類が記載されているが、ネームは女性キャラクターのものと思われるため)

 その他はA3EX+の構築ルールに準じます。

 会場は9:00から入場可能です。ご入場いただく際には一定の会場利用料を頂戴いたしますことをご了承下さい。設営には時間がかかりますので、10:00からの大会開始とさせていただき、その時点での参加者で試合を開始いたします。基本的には総当たりとし、1試合の時間制限は設けませんが、参加者多数および試合があまりに膠着している場合は主催者の判断で試合数ならびに試合時間の調整をさせていただく場合がございます。

 各大会での順位によりプレイヤーにはポイントが与えられ、全試合を終えた合計ポイントで総合順位を決定します。総合優勝者・総合準優勝者には賞状と記念品(オオガキバトル記念プロモカード)を進呈いたします。

 また、ポイント数に応じた恒例のお楽しみ抽選会もございますので、ぜひ最初から最後までご参加くださいませ。

 質問等ございましたら、伝説のオオガキバトル公式Twitter(現:X)にお気軽にお問い合わせ下さい。
 よろしくお願いいたします。

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