No.DoB016 繭姫“たむ”
No.DoB016
■カード名
繭姫“たむ”
■カード能力
種類:ブレイクカード
勢力:黒/ファクター:3/コスト:1
分類:インセクター・鬼
精神:3/攻撃:0/耐久:4
スキル:なし
アビリティ:
【パワーと精神力が等しい“たむ”のみブレイク可能】
≪このカード≫はファストカードのタイミングでセット宣言可能。
このカードをセットした場合、≪このキャラクター≫を勢力エリアに移動させる。
あなたが、あなた以外のプレイヤーの支配キャラクターからダメージを受けた場合、通常のダメージ判定の後、≪あなたにダメージを与えたキャラクターと同じ分類を持つ、そのキャラクターのオーナーの支配エリアのキャラクター全て≫を捨て札する。その後、≪このカード≫をあなたのダメージ置き場に裏向きに置き、このカード以外の、このキャラクターを構成するカード全てをオーナーのデッキに戻し、そのデッキをシャッフルする。
このキャラクターが支配エリアに移動した場合、≪このカード≫を捨て札する。
≪このカード≫はファストカードのタイミングでセット宣言可能。
このカードをセットした場合、≪このキャラクター≫を勢力エリアに移動させる。
あなたが、あなた以外のプレイヤーの支配キャラクターからダメージを受けた場合、通常のダメージ判定の後、≪あなたにダメージを与えたキャラクターと同じ分類を持つ、そのキャラクターのオーナーの支配エリアのキャラクター全て≫を捨て札する。その後、≪このカード≫をあなたのダメージ置き場に裏向きに置き、このカード以外の、このキャラクターを構成するカード全てをオーナーのデッキに戻し、そのデッキをシャッフルする。
このキャラクターが支配エリアに移動した場合、≪このカード≫を捨て札する。
■フレーバーテキスト
なし
■バックストーリー
■バックストーリー
━━━ 糸吐きの娘
隣町の強欲な悪人の耳にもその噂は届きました。
悪人の手下達は命を受け、流れ星が落ちた話や、美しい反物を作る不可思議な娘の存在、そして若者と共に住む居場所を突き止め、親玉に告げました。
「隣村の桑山に、光輝く摩訶不思議な布を作る娘がおります。山小屋の炭焼きの男が、その娘の作る反物を独り占めしているようです。」
悪人の親玉は目を輝かせました。
「けしからん。この一帯を牛耳る儂を差しおいてそのような壟断、許されぬぞ。」
悪人共は手下を引き連れ山を越え、若者の家を襲いました。
「その布も金も、そして糸吐きの娘も、すべて儂ものぞ!」
突然の強襲に若者は必死に“たむ”を抱きかかえ山奥へ逃げ込みましたが、手下たちは容赦なく若者を襲い、家を荒らしました。
若者は手下に切りつけられ、“たむ”は隣町の悪人の屋敷へ連れ去られました。
悪人共はこの娘が桑の葉から糸を作ると聞き、大量の桑の葉を与えましたが、“たむ”は一切手をつけませんでした。
いつまでたっても糸を作らない娘に苛立った手下達は、娘に無理やり桑の葉を食べさせようとしました。
“たむ”は必死に抵抗し、隙をついて屋敷の中の大木に登って逃げました。
「ははは!そんなところに逃げた所でどうにもならんぞ!」
「このままお前が観念するまで見張ってやるからな!」
悪人共は大木の周りを取り囲みます。
するとその夜、娘の髪が伸び、髪は娘の全身を包み、大きな丸い塊になりました。
何事かと悪人共は三日三晩、その不思議な塊を見張り続けました。
三日目の夜、塊が破れた中から、なんと大人の娘の姿が現れました。
背に大きな羽を広げ、足先まで流れる長い髪。星のように赤く光る瞳。美しい顔立ちに親玉は目を奪われ、大木に近づきました。
こぼれ落ちた糸を拾い、親玉は娘に話しかけます。
「ほほう、よい糸だ……糸吐きの娘よ、お前の糸で反物を作り、すべて儂に差し出せい!」
しかし娘は問いかけには応えず、木の上でただ静かに悪人たちを見下ろしました。
しびれを切らした親玉は手下達に指示をすると、手下は“たむ”を助けた若者を連れてきました。
若者は手下達に身体を縛られ、体中に傷を負っていました。
「糸を吐かぬなら、こやつの命はないぞ!」
そう言うや否や親玉は、身動きの取れない若者を木刀で叩きつけました
その様を目にした娘はついに鬼の形相となり、髪が瞬く間に伸び、屋敷中へと広がっていきました。
伸びた髪は逃げる手下たちを捕らえ、足から腕、そして首へと絡みつき、ものすごい力で締め上げます。
伸びた髪は逃げる手下たちを捕らえ、足から腕、そして首へと絡みつき、ものすごい力で締め上げます。
手下たちは息を止められ、絡み付いた糸は次々と手下たちの手足を引き裂いていきました。
「い…糸吐きの娘よ!儂が、儂が悪かった!今すぐこの糸を離してくれ!」
親玉もその糸に絡めとられ、必死に許しを乞いましたが、娘の怒りは収まることなく、髪の糸は親玉の首を締め続けました。
もはやこれまで。
親玉は、最期に手にしていた弓矢で娘の胸を貫きました。
娘は大木から倒れ落ち、また、親玉も共に息絶えました。
若者は“たむ”の元へ一目散に駆け寄り、動かなくなった“たむ”を抱きかかえて、大粒の涙を落としました。
その時、これまで紡いできた布や服は全てほぐれ、光を放つ糸となって、娘の育った桑山へ散り散りに還っていきました。
糸は小さな虫となり、桑の葉を食べ、糸を吐き、やがて繭を作りました。
村人たちは、これを天から与えられた虫「蚕」と呼び、大切に育て、富と恵みをもたらす神「お蚕さま」として、この地に祀られるようになったのでございます。
(イラスト生成:Kinta@m/ストーリー:Kinta@m)
※イラスト・ストーリーはTCG“アクエリアンエイジ”の二次創作であり原作とは一切関係ありません。
PR
