No.DoB019 ラリーアンバサダー“さとこ”と“あやの”
No.DoB019
■カード名
O.R.C.ラリーアンバサダー“さとこ”と“あやの”
■カード能力
種類:ブレイクカード
勢力:白/ファクター:2/コスト:2
分類:ワーカー・タレント・スチューデント
精神:4/攻撃:3/耐久:3
スキル:ドロー+1・チャージ1
アビリティ:
ブレイクしている《カード名に「O.R.C.」を含むキャラクター全て》の耐久力に+Xする。Xはこのキャラクターを構成するこのカードと同名のカードの枚数に等しい。
■フレーバーテキスト
あの時の憧れが、今のステージにつながってる。
■バックストーリー
O.R.C.ショートストーリー ― “棚橋 さとこ”の物語
私がこの高校を選んだ理由は、ダンス部が強かったから。
……というのは、半分だけ正解。
本当は、“時山 さやか”先輩がいたからだ。
高校2年の文化祭でモデル事務所にスカウトされ、今では雑誌にも登場する有名人。それなのに、ダンス部では後輩にも気さくで、いつも楽しそうに踊っていた。
入学したばかりの私に、さやか先輩は笑顔で言ってくれた。
「さとこちゃん、覚えるの早いね! 一緒に頑張ろう!」
その一言が、どれほど嬉しかったか。
3年生だった先輩は、卒業まで私たちを引っ張ってくれた。そして私は、いつかあんなふうに踊れる人になりたいと思った。
さやか先輩は卒業し、私は2年生になった。
新しく入部してきた一人が、“細川 あやの”。
明るくて、おしゃべりで、時々わけのわからないことを言う女の子。練習中も失敗するたびに妙なポーズをとって、みんなを笑わせる。
そんなあやのと、急に仲良くなった夜がある。
文化祭の発表が近づいた、ある日のこと。
遅くまで練習していた部員達も帰り、体育館には私たち二人だけが残っていた。
「ねえ、先輩。先輩のこと『とこち』って呼んでもいいですか?」
片づけの途中、あやのが突然言い出した。
「……とこち? なんで?」
「だって呼びたいから!」
「理由になってないじゃん!」
「えー、だめですかぁ?」
あまりに真剣な顔で聞くものだから、私もつい笑ってしまった。
「いいよ。じゃあ、あたしも『あーや』って呼ぶね!」
すると、あやのは目を丸くした。
「あーや?! かわいい! あーや・・・あーや・・・。なんだかめっちゃかわいくなれた気分!」
両手を頬に当てて、くるくる回り始める。
もう、我慢できなかった。
「あははははっ!」
おなかの底から笑ったのは、いつ以来だろう。
「なーにがおかしいんすか~?!」
そう言いながら、あやのも笑っていた。
静かな体育館に、二人の笑い声だけが響いていた。
それから私たちは、本当の姉妹みたいに仲良くなった。
そして迎えた文化祭。発表は大成功だった。
けれど、その日の終わりに、もっと大きな出来事が待っていた。
「さとこ!」
振り返ると、そこには卒業したさやか先輩がいた。
「先輩!? 来てたんですか!」
「うん。こっそり見てた!さとこ、それと君もすっごくよかったよ!」
あーやはすこし戸惑いながらも照れ笑いをする。
先輩の隣には、見知らぬ大人の人が立っていた。モデル事務所のスカウトさんだという。
そして先輩は、思いがけない話を始めた。
自分はモデル事務所を離れ、ラリーチームに入ること。事務所では後任を探していること。そして、1年後に開催されるORCというラリーイベントのアンバサダーを、私たち二人に任せたいこと。
「二人なら、きっとできると思うんだ」
ずっと憧れていた先輩が、今度は私たちを選んでくれた。
嬉しさと驚きで、言葉が出てこなかった。
隣を見ると、あやのも珍しく黙っている。
……と思ったら。
「とこち! 私たち、さやか先輩みたいになれるってこと?!」
「もう、あーや! 声、大きい!」
三人で笑った。
それからの一年は、あっという間だった。
レッスン、撮影、打ち合わせ。初めてのことばかりで、失敗もたくさんした。でも、あーやが隣にいると、不思議と頑張れた。
そして、ORC開催の日。
赤、青、黄色のラリーカーが並び、会場には大勢の観客が集まっていた。
舞台袖で緊張する私に、あーやが笑いかける。
「とこち、顔が硬いよ!」
「…、あーやは…緊張しないの?」
「めっちゃしてる! だから笑うの!」
その言葉に、思わず吹き出しそうになった。
遠くには、青いレーシングスーツ姿のさやか先輩がいる。
先輩は私たちに気づくと、大きく手を振ってくれた。
あの日、ダンス部で見上げていた人。
あの雑誌で、一際輝いていた人。
あの時、ラリーアンバサダーとして表舞台に立っていた人。
彼女への憧れが、私をここまで連れてきてくれた。
そして今、隣にはあーやがいる。
「行こう、とこち!」
「うん、あーや!」
眩しいライト。観客の歓声。風になびくORCの旗。
私は胸いっぱいに息を吸って、笑顔で手を差し伸べた。
「みなさん! ORCへようこそ!」
かつて先輩が立ったラリーの舞台に、今度は私たちが立っている。
そしていつか、私たちの姿を見た誰かが、新しい夢を見つけてくれたなら。
それは、きっと最高に素敵なことだ。
『あの時の憧れが、今のステージにつながってる。』
(イラスト生成:Kinta@m/ストーリー:Kinta@m)
※イラスト・ストーリーはTCG“アクエリアンエイジ”の二次創作であり原作とは一切関係ありません。
PR
